2026年4月1日水曜日

【タイ出張レポート】ASEAN IPA アニュアルミーティング in プーケットに登壇してきました!

こんにちは。シニアアドバイザーのTKです。

先週、タイのプーケットで開催された「ASEAN IPA」のアニュアルミーティングにスピーカーとして招待され、参加してまいりました。今回はその出張レポートをお届けしたいと思います!

ASEAN IPAは、東南アジア各国の知財実務家がメンバーとなって構成される知財団体です。年に一度アニュアルミーティングが開催されており、今年はタイのプーケットが舞台となりました。せっかくの貴重な機会ということで、創英バンコクオフィスに駐在するI弁理士も一緒に参加しました。


到着早々、まずは「現場視察」へ!?

私にとってプーケットは初めて訪れる場所でしたが、南国の空気が漂うとても素晴らしいところでした。

創英は日頃から「現場主義」を大切にしています。そこで、プーケットに到着して「まずは会場周辺の現場を確認しなければ!」ということで、I弁理士と一緒にホテルから徒歩5分ほどのビーチを視察してきました。

しかし、I弁理士は「ワイシャツとスラックスしか持ってきていない」とのこと。なんと、仕事着のままプーケットの美しいビーチを歩くことになってしまいました。リゾート感あふれるビーチにカッチリとした仕事着という場違いなシチュエーションが面白く、思わず記念写真をパチリと一枚。

現場の視察を終えた後は、「せっかくだからローカルな雰囲気を味わおう」ということで、地元の食堂に入って食事をしました。これも「現場主義」(笑)。本場のタイ料理は本当に美味しくて、すっかりやみつきになってしまいました!


いよいよ会議本編!テーマは「AIと知財」

さて、そうこうしているうちに、いよいよ会議本編がスタートです。

今回の会議は「AIと知財」というメインテーマのもと、4つのセッションが行われました。世界各国から集まった3〜5人のパネリストがプレゼンテーションを行い、その後パネリスト全員によるQ&Aセッションが行われるというスタイルです。

私はそのうちの2つのセッションに登壇させてもらいました。


セッション1:AI生成物の保護の現状

1つ目のセッションのテーマは、「各国におけるAIによって生成された発明や著作物の保護の現状」でした。

私からは、日本で有名な「DABUS事件(AIを発明者とする特許出願に関する事件)」の知財高裁判決や、文化庁におけるAI生成物の著作物性に関する議論の動向について紹介しました。各国の知財専門家たちと、非常に有意義で真面目な議論を交わすことができました。


セッション2:AI時代に生き残る知財専門家とは?

2つ目のセッションは、「AI時代に生き残れる知財事務所および知財専門家」という、よりチャレンジングなテーマでした。

このセッションでは、創英が日頃からAI活用に向けて取り組んでいることや、私自身が実務の中でどのようにAIを活用しているかについてお話ししました。

そしてプレゼンの最後に、「実は、今回のセミナー資料はすべてAIを使って作成しました」と白状したところ、会場からはドッと笑いが!とてもほのぼのとした、温かい雰囲気のセッションとなりました。


I弁理士、夕食会でダンスを披露!?

セッションが終わると、参加者全員の夕食会が開催されました。夕食会でお酒が進んでくると、「ミャンマーグループ集合!ダンスをするぞー」、「フィリピングループは歌を歌いま~す」というように、参加者が国ごとに分かれ、各国の威信をかけたパフォーマンス合戦になりました。タイグループのダンスパフォーマンス楽しんでいると、なんと、創英バンコクオフィスのI弁理士も、タイグループの一員として、ステージ上でダンスを披露していました。恐るべし、I弁理士。。。日本では絶対に見られない、I 弁理士のダンスパフォーマンスも十分堪能させてもらいました(笑)。


おわりに

このような国際的な場でスピーカーを務めるという貴重な機会を得て、非常に有意義なタイ出張となりました。

今回の経験を活かし、今後もAIをはじめとする最新の知財動向をしっかりとキャッチアップし、クライアントの皆様に還元していきたいと思います。

なお、ここまで読むと、「I弁理士は、ビーチに行ったり踊ったりしているだけで、仕事をしていないんじゃないか?」と疑問に思う方がいるかもしれません。I弁理士の名誉のために言っておくと、彼も精力的に、たくさんの個別ミーティングをこなしていました。その証拠写真も載せておきます。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

(シニアアドバイザーTK)


  
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2026年3月7日土曜日

気になる審決:「文字商標」VS「当該文字を含む社標ロゴ」――称呼共通でも非類似とされた事例

 こんにちは。弁理士HSです。

 このブログは「日々の弁理士業務からメンバーのプライベートまで、ゆるく紹介」と掲げてはいますが、何となく後ろの「プライベートまで、ゆるく」の部分が多くなっている気がします。
 しかし、我々は「日々の弁理士業務」にも当然注力しており、普段から議論を交わしながら知見を増やし、最新の実務動向をキャッチアップするようにしています。
 そのような取り組みの一環として、毎月1回「審決研究会」があります。今後は、気になる審決についても紹介してみたいと思います。

 今回は、不服2025-3244号「称呼共通でも非類似とされた事例」を取り上げます。担当は弁理士AKです。
 なお、ブログ記事という性質上、審決を分かりやすく、超簡単にまとめた内容になってしまいますので、詳細はJ-PlatPat等で審決全文をご参照ください。

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1. 本願商標・引用商標の概要

 本願商標

 引用商標1

 引用商標2 ※

 
商願2023-140727


商登0653285


商登6991165

 出願人:
アサヒグループ
ホールディングス株式会社

権利者:
旭松食品株式会社 

 権利者:
株式会社アサヒブロイラー

指定商品:
29類「豆乳,コーヒー風味の豆乳,保存処理・冷凍処理・乾燥処理及び調理をした果実及び野菜」等、30類「コーヒー豆,即席麺,調理済みの雑炊,穀物の加工品,食用穀粉及び穀物からなる加工品,シリアルバー,即席お粥」 

指定商品:
29類「冷凍野菜(はくさい・かんらんを除く。),冷凍果実(すいか・りんごを除く。),油揚げ,凍り豆腐」等、30類「コーヒー豆,うどんめん,そばめん,中華そばめん」、31類「野菜(はくさい・かんらんを除く。)」等 

指定商品:
35類「鶏肉及び鶏肉製品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等 

※引用商標2は、指定商品(役務)の補正により抵触解消

2. 結論
 本願商標と引用商標1は非類似(商標法4条1項11号非該当)。

3. 審決のポイント(理由)
 審決では、本願商標が1986年にコーポレートロゴとして採択され、酒類・飲料・食品等を取り扱う請求人グループにより継続的に使用された結果、我が国の一般消費者の間に広く認識されているとして、「アサヒグループホールディングスのロゴマーク」の観念が生じると認定しています。

 これに対して、引用商標1は「ASAHI」の欧文字からなり、その構成文字に相応して「アサヒ」の称呼を生ずる一方、「ASAHI」は一般的な英語辞書等に載録されていないこと等から、特定の観念は生じないとされました。

 なお、外観については、本願商標は特徴的なレタリングのロゴであるのに対し、引用商標1は一般的な書体であり、印象を異にするものであると認定されています。

 以上を踏まえて、称呼(ともに「アサヒ」)が共通であっても、外観と観念の差異を総合すると、互いに紛れるおそれはない(非類似)、という結論となりました。

4. 気になった点・コメント
 一般論として、文字商標でも、社会通念上同一といえる程度のレタリングであれば、権利範囲に含まれ得ます(「類似」という範囲も考えれば、なおのことです)。その意味で、今回の争いが生じるのは自然なことでしょう。

 一方で本件は、本願商標が「周知な社標」として強い識別的印象を形成している点が、非類似方向に作用した事案でした。つまり、後発者が長年の使用で周知性を獲得すると、「後発者の社標」という観念が形成され、他の要素と総合考慮した結果、非類似となる場面があり得ます。

 しかし、この「あり得る」という点は周知性の程度や、先行権利者の使用の有無、外観の差異の程度などにもよるため、悩ましいところになるでしょう。実際、特許庁の審決にもブレがあるため、類似・非類似の見通しが立てにくい現状です。例えば、不服2022-16101ではと文字の「SMP」(44類)は類似、不服2020-714では(29、30類)は類似と判断されました。

 本件に戻ると、審決は、先行権利者の利益を保護すべき要請と、後発使用者の企業努力によって形成された事実状態の保護を利益衡量したうえで、公平公正な結論を目指したのではないかと考えます

 推測にすぎませんが、引用商標1の権利者(旭松食品)は、「ASAHI」を使用していないように見受けられ、本願商標の出願人たるアサヒグループの使用に対しても、これまで特にアクションを起こすことはなく、黙認してきたと思われます。他方、本願商標は実際に出願人グループ全体で統一的に大々的に使用され、先行権利者たる旭松食品の信用にあやかろうとする意図や事情は見当たりません。
 また、食品分野で「アサヒ」を名乗る会社は複数あると思われ、それにより「アサヒ」の称呼には強い識別力がないと評価された可能性もあります。

 アサヒグループの企業努力により、本願商標のロゴを見れば直ちにアサヒグループのロゴだと認識されるほどの周知著名性を獲得しているのであれば、その保護を優先させても良いと判断した審決と思われます。〔了〕

2026年2月16日月曜日

今年も、さくら咲け🌸~付記試験を終えて~

 超絶大変お久しぶりです、弁理士のHSです。

 急に暖かくなった週末でしたね。湘南は17度まで上がり、河津桜はすでに見頃を迎えています。さくらは大好きですが、人混みは苦手なので…今年も(?)「雰囲気を楽しむ」だけにしました。

 というわけで、今年のSAKURA Collection「ザ・お茶編」(4℃ SAKURA Sweets Collection コラボカフェ)に行ってきました!こんな素晴らしい天気の中、水辺の景色と桜色に包まれる時間をゆっくり過ごせるのは、もはや贅沢そのものです。

 さくらアフタヌーンティーは、4℃のジュエリーの煌めきを表現したスイーツで、毎年のSAKURA Collectionに合わせて期間限定で提供されます。今年は横浜・みなとみらいの「アニヴェルセルカフェ」とのコラボです。(昨年は東京ベイ潮見プリンスホテルでした。)

 アクセスが良く、週末のお散歩にも最適なみなとみらい、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。


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 タイトルにあるように、この半年間ブログから姿を消していたのですが、それは付記試験の受験勉強に専念していたからです。

 付記試験とは、正式には「特定侵害訴訟代理業務試験」のことで、この試験に合格し付記を受けると(いわゆる「付記弁理士」)、特許権や商標権など、特定の知的財産権の侵害事件について、弁護士と共同受任を条件に訴訟の代理人になることができます。

 実際には様々な課題があり、「付記を取ったとしても…」と言われることも少なくありませんが、私としては、余裕があれば勉強しておく価値は十分あると思います。訴訟法の知識を身につけ、裁判の考え方を理解することで、より論理的で説得力のある意見書や審判請求書の作成にも大いに役立ちます。

 とはいえ、本業も忙しい中で勉強時間を捻出するのは本当に大変でした。実は2024年11月から民法と民訴法に関する基礎研修が始まり(知識の勉強)、その後は能力担保研修(仮想事例について訴状や答弁書の作成)、並行して業界で有名な某ゼミにも参加しました(知識の確認とともに、本試験形式の起案練習)。過去問の練習も加えると、半年間は不眠不休のような毎日でした(もちろん、週末や連休なんてありません)。

 色々工夫しながら、最後はもはや根性で何とか諦めずに頑張って、無事に1回で合格することができました。そしてつい先日、付記証書が届き、ようやく落ち着いたところです。(実は他の資格試験もやっていて、連続して4年間くらいは休んでいなかったので、)しばらく受験勉強生活はお休みします…

 さて。今年の弁理士試験の詳細もすでに発表され、WEB願書請求も始まりましたね。受験予定の皆様は忘れずに願書を入手してください。そして皆様の努力が報われるよう、心から願っています!!


  
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