2018年10月22日月曜日

♪東南アジア知財ネットワーク(SEAIPJ)♪

 前回のブログ記事と順番が前後しますが、先週の金曜日は、東南アジア知財ネットワーク(SEAIPJ)の中間会合に参加してきました。



東南アジア知財ネットワーク(SEAIPJ)は、東南アジア諸国での知財問題を共有する日本企業が集まり、情報収集や現地政府機関への働きかけを行っている団体です。


東南アジア知財ネットワーク(SEAIPJ)には、タイ・ワーキンググループ、インドネシア・ワーキンググループ、ベトナム・ワーキンググループという3つの常設ワーキンググループがあり、私は、ベトナム・ワーキンググループのリーダーをしています。

ベトナム・ワーキンググループでは、ここ数年の間に、ベトナム知的財産研究所(VIPRI)での商標類否判断ワークショップや意匠類否判断ワークショップ、IPベトナム(ベトナム知的財産権庁)での技術説明会や特許審査促進に関するミーティングなど、積極的な活動をしています。もしご興味がある方がいれば、ご一報ください。

さて、話を戻して、東南アジア知財ネットワーク(SEAIPJ)の中間会合は、東南アジア諸国の最新情報を共有できるとても良い機会です。今回は、ミャンマーの知財情勢に詳しい専門家の方が参加され、ミャンマーの知財法の状況について話をしてくれました。ちなみに、現在のミャンマーには有効に成立・適用されている知財法は存在せず、現在、成立・施行が待たれているところです。

ミャンマーの法律は、①法案を上院で審理、可決→②法案を下院の法案委員会で審理→③法案を下院の本会議で審理、可決→④法案を両院協議会で審理、可決というプロセスを経て成立するそうです。現在、著作権法については上記③のステップを終了、すなわち下院の本会議で可決したところ、商標法については上記②のステップの途中で、下院の法案委員会で半分ほど審理が進んだところ、特許法と意匠法は、上記①のステップを終了、すなわち上院で可決されたところだそうです。知財四法同時に成立させる場合は、知財四法の成立まであと1年ほどかかるとのことでした。一方、審理の終了した順番に法律を成立させる場合は、著作権法の成立が年内、商標法の成立が来年3月、特許法と意匠法の成立まではあと1年くらいかかるとのことでした。さらに、法律の成立から施行までは、長ければ1年ほど要してしまうこともあるそうです。

ミャンマーにおける知財法成立・施行は、3~4年ほど前から知財実務家の興味の的でしたが、なかなか進まないですね。でも、今回は最新の情報を聞けて良かったです。今後も、いろいろなことにアンテナを張り巡らせて、情報を収集していきたいですね。

(商標部門長 T.K.

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