2023年12月11日月曜日

「ひよ子」饅頭の工場見学に行ってきました【ひよ子立体商標事件 商3条2項】

 

 商標弁理士のT.T.です。
 12月といえば、クリスマスシーズンということで、「カーネル・サンダース人形」の立体商標登録4153602)でお馴染みKFC」のチキンが食べたくなる季節となりました。でも、今年のクリスマスは、立体商標は立体商標でも、チキンはチキンでも、「ひよ子立体商標事件」の「ひよ子」饅頭とかいかがですか? 

 指定商品を「まんじゅう」とした「ひよ子」立体商標のように、商品の形状そのもの表したに過ぎない立体商標は、通常、識別性がないとして登録が認められません(313)。しかし、「ひよ子」立体商標は、長年の使用による全国的な周知性を獲得したことが立証され、識別力を有しているとして、商標法32項を適用して登録が認められました(登録4704439号、権利者:株式会社ひよ子(被告))。 

登録4704439号 30類「まんじゅう」

2023年12月4日月曜日

クリスマスケーキに「athlete Chiffon」はいかがですか?【athlete Chiffon事件 商3-1-3】

 商標弁理士のT.T.です。
 12月といえば、クリスマスシーズンということで、ケーキが食べたくなる季節となりましたが、商標弁理士的おススメなクリスマスケーキに、「athlete Chiffon」はいかがですか?
 何故おススメかといえば、今秋出来立てホヤホヤの審決取消訴訟「athlete Chiffon事件」があったからです。
(写真:athlete Chiffon

 「athlete Chiffon事件」(令和5(行ケ)10038)とは、商願2021-093231athlete Chiffon(標準文字)」(43類 飲食物の提供等)について、その識別性を争った事件です。

商願2021-093231 43類 飲食物の提供等

 知財高裁は、まず、「アスリートケーキ」「アスリートパンケーキ」等といった、運動選手向けであるという商品又は役務を表すものとして「アスリート(athlete)」の文字を語頭に配した語が広く使用される実情があると認定しました。また、「バナナシフォン」「バレンタインシフォン」等といった、語頭に提供対象・原材料・味を表す語が配された場合、語頭の部分は、後半に続く「シフォンケーキ」の種類、内容を表すものであると容易に理解できると認定しました。