こんにちは
新人のD.Mです。
年末ということもあって、忘年会シーズンですが、
年末ということもあって、忘年会シーズンですが、
我らが部門長はカラオケでその美声を失いつつあります。
さて、今年最後の新人奮闘日記になりますが、今回のテーマは趣向を変えまして、4条1項8号についての裁判例をご紹介します。
まずは条文から見ていきましょう。
条文では、
他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標(その他人の承諾を得ているものを除く。)
となっています。
4条1項11号では「類似」、4条1項15号では「混同」が要件となりますが、4条1項8号では他人の氏名などを商標中に「含む」ことが要件となっています。
また、4条1項8号の趣旨は11号の「出所混同の防止」とは異なり、「人格的利益の保護」となっています(国際自由学園事件 最高裁平成17年7月22日第二小法廷判決・裁判集民事217号595頁)。
【所見】
4条1項11号では「類似」、4条1項15号では「混同」が要件となりますが、4条1項8号では他人の氏名などを商標中に「含む」ことが要件となっています。
では、今回の事件であるINTELLASSET事件を紹介していきます。
今回の事件を簡単に言ってしまうと、原告の本件商標「INTELLASSET」に、被告の著名な略称である「INTEL」(登第1373591号等)が含まれているか、が争点となりました。
つまり、「インテル入ってる?」が争点となりました!
そして、ここで問題となるのは、「含む」の解釈です。
さらに言えば、ただ単純に、物理的に、含まれていれば4条1項8号に該当するのかが問題となります。
では、裁判所の判断を見ていきたいと思います。
まず規範として、
問題となる商標に他人の略称等が存在すると客観的に把握できず、当該他人を想起、連想できないのであれば、他人の人格的利益が毀損されるおそれはないから
単に物理的に「含む」状態をもって足りるとするのではなく、その部分が他人の略称等として客観的に把握され、当該他人を想起・連想させるものであることを要する
と述べました。
そして、結論としては、原告の本件商標「INTELLASSET」は4条1項8号に該当しないと判断がされました。
具体的には、
・「INTELLASSET」文字部分は外観上一体
・「INTELLASSET」文字部分は外観上一体
・「INTELLASSET」の語は日本においてなじみのない語であり、一見して造語と
とらえられることから、
「インテル・アセット」の称呼が生じたり(インテルとアセットで分けて称呼しない)
「インテルの資産、財産」の観念が生じることもない(ASSETは資産、財産という意味)
といった理由から、「INTELLASSET」の「INTEL」部分が被告の略称等として客観的に把握され、当該被告を想起・連想させるものではないと判断をしました。
「客観的にみてその部分が他人の略称等であると把握されず、当該他人を想起、連想させるものでないのであれば、そもそも当該他人の人格的利益が毀損されるおそれはない」といった主張を原告はしていましたが、この考えを裁判所は全面的に認めたと考えられます。
個人的にもこの考え方に賛成で、物理的に他人の略称等を含んでいるだけで8号に該当するのでは、商標の選択の幅が大きく制限されてしまうと思います。
今回はこれで以上になります。
気が付けば早くも第七回。毎日くじけそうですが、何とかやっています!
来年もさらに頑張っていきます! 新人D.M
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