以前にも一度書きましたが、縁あって、今年の4月から、とある大学の法学部で、「知的財産法」を教えています。
しかしながら、コロナウイルスのおかげで、授業はすべてオンライン形式です。
はじめはどうなることかと思いましたが、先週の金曜日に、無事に前期の全講義を終えました。
今年の4月、講義は全てオンラインで行うと決まったときは、正直言って、かなりショックでした。そのころは、大学の授業は教室で先生と生徒がお互いに議論しあって初めて効果が出る、オンライン講義をするくらいならそれぞれの学生が自分で教科書を読めばよい、というくらいに思っていたからです。ピチピチの男子・女子大生と教室で議論しあえる楽しみが奪われた~と、コロナウイルスを恨めしく思っていました。
でも、オンラインの授業をやり切ってみたら、結構楽しかったです。
まず、対面の授業と違って、学生の顔が見えないので、理解してもらえているかどうかがわからない。そこで、資料をいつもより丁寧に作り、毎回、前回の復習と称して重要な部分を繰り返し説明していきました。これが、自分自身にとってもとてもよい復習になり、いつもよりも自信をもって講義に臨めました。なお、学生の顔が見えないので、ジョークは言いにくかったです(受けているのか滑っているのかわからない)。
講義には、双方向のWEB会議システムを利用しましたが、口頭での質問はほとんどありませんでした。毎回80人以上の学生がオンライン講義を聞いていましたが、(他の受講生の様子が分からない状況で)皆の聴講を遮って質問をするのは、かなり勇気がいることでしょう。しかしながら、講義後にチャットやメールで質問をしてくれる学生もいて、そこから双方向のコミュニケーションが進みました。知的財産法を学ぶのが初めての学生が多く、特許や商標についても「なるほど、そのようなイメージを持っていたのか」という発見もあり、私自身にもいろいろな学びがありました。課題提出時のメールに付された「知的財産法に興味がわきました。もっと深く勉強してみたいです。」などのコメントを見ると、教師冥利に尽きます。
今となっては、全講義が終わってしまい、少し寂しい気持ちがありますが、お客様訪問や国際会議参加ができなくなっているコロナ時代、このオンライン講義の経験を活かして、いろいろと新しいことをやっていきたいと思うようになりました。
皆さん、コロナに負けず、頑張っていきましょう!
P.S.
今回も写真が無いので、弊所丸の内オフィスからみた、朝の皇居の景色をお届けします。
(意匠商標部門長T.K.)
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