2018年3月30日金曜日

♪主婦と法律♪

 今朝、新聞を読んでいると、良品計画とカインズとが争っている事件の控訴審判決の記事が目に飛び込んできました。 自社商品に似た収納棚を販売しているとして、良品計画がカインズに対して販売差止を求めていた事件です。 控訴審で、販売差止を認めた第一審判決を支持する判決がなされたというものです。

 その新聞には、良品計画の収納棚とカインズの収納棚が並べられた写真が出ていました。 確かに、2つ並べた写真を見ると、どちらがどちらの商品かわからないほどよく似ている、というのが私の第一印象でした。

 そこで、一緒に朝食を食べていた妻に聞いてみました。
「この2つのユニットシェルフ、似ていると思う?似ているということで、販売差止の判決が出たんだけど。」

 彼女の答えは、私の予想に反して、以下のようなものでした。
「似ているかもしれないけど、これで販売差止になってしまうなんておかしいよね。だって、ユニットシェルフなんてこんな形にしなくちゃ成り立たないじゃない。これで販売差止になってしまうんじゃ、他の会社は誰もユニットシェルフを作っちゃいけないと言っているのと同じだよね。」

 彼女は、まさに、「不正競争防止法2条1項3号かっこ書き」と同じことを言っていたのです。彼女は、大学は法学部を卒業しましたが、不正競争防止法など勉強したことはないはずです。今は、主婦です。その主婦の感覚と不正競争防止法2条1項3号かっこ書きの立法趣旨とがピタリと一致する瞬間に立ち会えた!
 今日は、弁理士として、とてもうれしい気分で出社することができました。

 (※正確に言うと、この事件の争点は、2条1項3号ではなく2条1項1号でした。また、両方の商品は、4隅の支柱が2本ずつあるという特徴点を持っていました。ただ、これらの点は、新聞記事からはわかりませんでした。)
(商標部門長 T.K.)

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2018年3月28日水曜日

バンコク通信 その1 Flying Rabbit

創英ASEANオフィス(タイ王国・バンコク)に勤務しております弁理士のIです。ASEAN知財のスペシャリストになるべく、昨年10月に東京本部の商標部門からバンコクにやって参りました。暑いバンコクでなかなかに刺激的な熱い毎日を送っていますが、今後、本ブログにてその模様をご紹介させていただきます。
 
さて、突然ですが、皆さんはタイ料理はお好きですか?トムヤムクン、タイカレー、ソムタム、パッタイ、カオマンガイ、タイスキ、、、どれもとても美味しく、私も好きですが、結構お腹をやられます。特に、水には注意、とか、屋台は気をつけて、とか言われますが、気をつけていても当たるときは当たります。ちなみに、観光客だけでなく、タイ人も普通に当たります。(苦笑)
 
そうしたところ、私も先日見事に当たったらしくダウンしてしまい、復活すべく、を飲んでいたのですが
 
(コンビニで約40円で買えます。http://www.taisho.co.jp/lipovitan/lipod/globalD/thailand.html
タイはエナジードリンクの種類が豊富で、エナジードリンク好きの私には嬉しいかぎりです。)、食あたりにはこれです!!ということで、タイ人スタッフが薦めてくれたのがこちらです。

タイ語は、残念ながらまだ読めないのですが、英語で言うと「Flying Rabbit」。覚えやすい名前かつ羽の生えたウサギという印象的なキャラクターで、なかなかに良い商標だと思ったのですが、いかがでしょうか。

メントールのスースーする味で、タイ人の間では一家に一本、というより、一家に一カートンの常備薬らしいです。ということで、私も家に常備しました。これで、いつ当たっても大丈夫ですかね。当たりたくはないですが。。
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2018年3月27日火曜日

♪桜とカメラ♪

春ですねえ~。
昨日、あまりにも良い天気だったので、上野公園に桜を見に行ってきました。あっ、仕事をさぼって行ったわけではありませんよ。朝、ちょっと早起きして、始業前に行ってきました。
せっかくですから桜の写真でも撮ろうと思い、愛機のNikonD610を持っていきました。
さすが、花見のメッカの上野公園です。朝8時にもかかわらず、場所取りのブルーシートがたくさん並んでいました。すでに飲んでいる人たちもちらほら。そんななか、桜のトンネルを堪能してきました。日本に生まれてよかったなあ~と思う瞬間です。













不忍池の方にも足を延ばしました。水と桜のコントラストも素晴らしかったです。














ところで、一眼レフのカメラは、スマホのカメラと違って、「ボケ」をうまく使った写真を簡単に撮ることができます。つまり、ターゲットだけをクリアに写し出し、背景をぼかすことができます。これによってターゲットがより際立った写真を撮ることができるのです。
例えば、以下のような写真です。















このような写真が簡単に撮れるNikonD610は素晴らしい(決してNikonの回し者ではないですが^^;)。決して安くはない買い物でしたが、とても満足しています。
今日は、私がこのカメラを買った時の話をしましょう。
数年前に、Nikonの方と知財の話をする機会がありました。私も、弁理士という職業柄、カメラについて事前に予習をしていきました。知財の話が一通り済んだ後、「御社のカメラは素敵ですねえ。とても欲しいです。」と軽いジャブを投げかけてみたところ、その方のカメラ談議が始まりました。こういうと失礼かもしれませんが、知財の話よりも何倍も熱が入り、聞いているこちらも完全に引きこまれてしまうほどでした。その方は本当にカメラ好きなんだなあ、ということがひしひしと伝わってきました。
今だから打ち明けますと、はじめに「御社のカメラは素敵ですねえ。とても欲しいです。」といったのは社交辞令でした^^;。しかしながら、その方の話を聞いているうちに、どんどんカメラが欲しくなってしまい、一旦は家に帰って寝たものの、翌日になっても欲しいという衝動は収まらず、その日のうちにNikonD610を買ってしまったのです!
何事においても、本当にそのことが好きで極めている人の話はとても楽しいし、とても説得力がある。その方から学んだことです。
私も、自分の話に説得力を持たせるため、弁理士という仕事をもっと楽しみ、もっと好きになり、もっと極めていきたいと思います。
(商標部門長 T.K.)

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2018年3月23日金曜日

弁理士の一日 Part 1

こんにちは。弁理士Uです。振り返ってみると、創英の商標弁理士の日常についてご紹介する機会がなかったようですので、簡単にご紹介をしたいと思います。


 
本ブログではK部門長の華麗な海外出張記事が多数載っていますが、その他の弁理士は、ほとんどの時間は、事務所で仕事をしています(もちろん、お客様のところへ出張にいくこともしばしばあります。)。

出勤時の東京駅はこんな感じです。
 

 
外からみた東京駅です。冬なので、まだまだ暗いです。
 

 
創英はフレックス制で、コアタイムは多分1030からだと思いますが、私は朝早く来て、早く帰るようにしています。夜型の人もいますが、創英はどちらかと言えば、朝型の方が多いような気がします。私は、創英に転職する前に、一般企業で勤務していた経験がありますが、自分の働きたい時間に、働きたいだけ仕事ができる、というのが特許事務所のいいところかな、と思います。
 
朝が早いのはいくつか理由がありますが、時差の影響が少なく仕事ができるのが、一番の利点だと思います。
 
日本の早朝は、
・アメリカだと、昼過ぎ~夕方頃
・ヨーロッパだと夜
にあたりますので、外国の代理人のメールに不明点があっても、即座に問い合わせをすれば、直ぐに返信をもらえることもありますし、外国のお客様からの質問などにも、当日中に回答できますので、これが一番のメリットだと思います。私の場合は、国内案件、外国案件、外内案件を比較的バランスよく担当していますので、外国の代理人・お客様とタイムリーにコミュニケーションができるのは、かなり重要です。業務の割合については、また別の機会にご紹介しようと思います。
 
事務所についたら、まずはメールを処理します。今は、自宅のPC、または、スマートフォンで事務所宛てのメールが確認できるようになっていますので、事務所に着くまでには、どういうメールがきているかを把握しておき、机にすわったら、時間がかからずに対応できるものをまず返信する、というスタイルで仕事をすることが多いです。
 
Part2につづく。

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2018年3月16日金曜日

振り向けばバレンティン!?

こんにちは、弁理士K.Nです。 今回も緩い内容で恐縮ですが、先月、創英野球部のメンバーと沖縄へ行って参りました。昨シーズンパテント杯の準優勝旅行として企画し、(勿論自腹ですが・・)、何と総勢15名の所員が参加しました。
注:パテント杯は、特許庁・事務所等の知財関係者から構成される野球トーナメントです。

沖縄を選んだ理由、その一つはずばりプロ野球キャンプの視察でした!プロの練習を間近で見ることで、練習に対する意識改革をし、今年以降の更なる飛躍に繋げたいと考えておりました。こんな趣旨で参加者が集まるのかと若干心配しておりましたが、意外にも好評で、特に女性所員の方が(?)楽しんでいたようで、内心ほっとしております。
 
私はセリーグを中心に3日間ずっとキャンプ地を回り、たくさんの選手に会うことができました。練習メニューも各チームで特徴があり、例えば、横浜DeNAや広島は選手に自主的に任せている印象を受けました。どのチームも活気があり素晴らしかったですが、その中で最もお勧めしたいのが・・ヤクルトです!選手との距離感がとても近く、すぐ横をバレンティン選手、青木選手、山田選手等のスター選手が通過していき、私にとっては某テーマパークにいるよりも夢心地でした。
 
 勿論、メンバーによっては、ゴルフを満喫したり、釣りをしたり、水族館に訪れたり、それぞれの時間を思い思いに過ごしました。そして、夜は全員で集合し、特産のあぐー豚や沖縄料理を堪能しました。おそらく5次会まであったような気がしますが、記憶が定かではありません・・汗


 
3日間はあっという間で、メンバーの絆も更に深まり素晴らしい旅行となりました。創英野球部は、今年のパテント杯制覇に向けて4月より活動予定です。商標部門の新人H君(現在、フィリピン研修中)も、野球部に入部するとのことで一層楽しみです!




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2018年3月14日水曜日

♪スペイン語のレッスン♪


弁理士の仕事には、英語が欠かせません。

例えば、日本で特許権や商標権を取得したい外国のお客様がいれば、我々が代理人になって日本特許庁に出願手続をします。この場合は、お客様とのコミュニメーションには、通常、英語を使います。また、グローバルにビジネスを展開する日本企業のために、世界各国での知的財産権の取得や紛争解決をサポートすることも多々あります。この場合は、世界各国の代理人と英語でコミュニケーションをとらなければなりません。「英語を駆使して仕事をしたい!」と思っている人にとって、弁理士は最高の職業と言えるかもしれません。

創英でも、所員の英語力の向上のために、様々な試みをしています。1つは、フィリピン短期英語研修です。24週間、フィリピンの英語学校に合宿し、英会話のトレーニングをしてきます。フィリピン英語研修には、主に、入所後間もない若手弁理士が参加します。商標部門でも、すでに2人が経験し、現在も1人が研修中です。

もう1つが国際会議への派遣です。INTA(国際商標協会)のアニュアルミーティング、APAA(アジア弁理士協会)のカウンシルミーティングなど、昨年は、延べ25人の所員を国際会議に派遣しました。今年も、延べ27人の所員を派遣する予定です。何故こんなにもたくさんの所員を国際会議に派遣するのか?いくつか理由はありますが、そのうちの1つは、国際会議で、世界各国の弁理士や弁護士と話をすることによって、英語によるコミュニケーション能力が磨かれるからです。まさに「現場主義」の実践です。

創英では、海外出張の際、飛行機はエコノミークラスを使います。所長も例外ではありません。ビジネスクラスを使って1人の所員を国際会議に送るよりも、エコノミークラスを使って3人の所員を国際会議に送ったほうが良い、という考えに基づくものです。賛否両論あるとは思いますが、個人的には素敵な考え方だと思います。

さて、国際会議といえば、以前、このブログでも紹介したように、ASIPI(環アメリカ知的財産協会)のアニュアルミーティングというものがあります。この国際会議には、私も、すでに4回参加しています、この会議は、本来は中南米の知財関係者の国際会議のため、公用語がスペイン語になります。もちろん、中南米からの参加者も私としゃべるときは英語を使ってくれるので、コミュニケーション上不都合はないのですが、スペイン語を話せたら、この会議への参加がもっと楽しくなるだろうと思い、3年ほど前からスペイン語の勉強を始めました。

私がやっているのは「スパニッシモ」というオンラインのスペイン語レッスンです。


グアテマラ在住の先生たちから、スカイプを使ってオンラインでスペイン語のレッスンを受けます。日本在住の先生ではなく、グアテマラ在住の先生のレッスンということで、極めてリーズナブルな値段でレッスンを受けることができます。どのくらい安いかというと、50分のレッスンを月に12回受けて11000円ですので、なんと、1回あたり、920円です。東京でスペイン語のプライベートレッスンを受けると、1時間あたり5000円以上しますので、5分の1程度です。興味がある人のために、3年間レッスンを受けた経験を踏まえて、良い点、悪い点を挙げてみましょう。

まず、悪い点。

通信環境はそこそこ良いのですが、たまに(10レッスンあたり1レッスン程度の頻度で)、ネットワークが切れます。その場合は、少し待っていれば、先生の方から再接続してくれます。切れていた時間が長かったときは、レッスン時間を延長してくれます。

 また、先生たちはグアテマラ在住ですので、(時差の関係で)レッスン時間は日本の夜間及び早朝になります。でも、夜更かしの人は深夜に、早起きの人は早朝にレッスンを受けるようにすれば問題はあまりありません。ちなみに、私は朝型ですので、朝4時または5時からのレッスンを受けることが多いです。

 続いて良い点。

 すでに説明した通り、費用が安い。これなら、お金の問題で受講を断念することはないでしょう。

 もう1つ特筆すべき点は、多くの先生の中から、自分がレッスンを受けたい先生を選べるという点です。すべての先生が、自分のスケジュール(レッスン可能な日時)を公開していますので、そのスケジュールを見ながら、自分の好きな先生の空いている時間を予約します。私は、自分のインセンティブを高めるために、必ず、女性の先生を選びます。基本的にはラテン系の明るい先生たちですが、間違えると何度でもいい直しをさせる厳しい先生、娘ほどの歳の差のある若い先生、日本にすごく興味をもっていて日本のことを何でも聞いてくる先生など、個性豊かな先生が揃っていて飽きません。いつも女性の先生にスペイン語を習っているためか、この前会ったスペイン人に「お前のスペイン語は女性っぽいな」と言われてしまいました^^;

 なんだかんだと3年間続けてきたスペイン語ですが、なかなか、日常会話ができるレベルまでは到達できません。しかしながら、スペイン語を流暢に操りながらラテンアメリカの人たちに溶け込んでいる自分の姿を夢見て、これからも一歩一歩頑張っていきたいです。

(商標部門長 T.K.

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2018年3月11日日曜日

♪ゴルフと商標弁理士の仕事♪


昨日の土曜日は、事務所の同僚とゴルフに行ってきました。

行き先は、「天空のゴルフ場」と言われている小田原城カントリー倶楽部です。なぜ、「天空のゴルフ場」と呼ばれているのか?それは、このゴルフ場が、小田原駅から30分ほど山を登った高台にあり、太平洋を一望できるからです。ここでゴルフをしていると、宮崎駿監督の「天空の城ラピュタ」でゴルフをしているような錯覚さえ感じます。百聞は一見に如かず、是非、小田原城カントリー倶楽部のウェブサイトで、その天空っぷりを確認してみてください。

http://www.odawarajocc.com/

しかし。。。

壮大な「天空」でのゴルフを楽しみにしていった我々の前に立ちはだかったのは、「濃霧」という厳しい自然の洗礼でした。

その光景は。。。


太平洋を一望どころか、10メートル先も見えない。

スタート前に、ゴルフ場のスタッフから、「霧が晴れるかどうかは、分かりません。30分後にはカラッと晴れるかもしれませんが、一日中晴れないかもしれません。今キャンセルするとキャンセル料はいただきません。でも、一旦ゴルフをスタートしてしまうと(途中でやめでも)通常料金をいただきます。やりますか?やめますか?」との説明がありました。「熱海で温泉に入って帰るか?」などの意見も少しは出ましたが、「せっかく小田原まで来たのだから、すぐ晴れるほうに賭けよう」ということになり、ゴルフを始めました。

日頃の行いが良い人たちが揃っていたためか、開始から30分もたたずに、霧が徐々に晴れてきて、すぐに太平洋が一望できるようになりました。来てよかったあ~。



しかし。。。

我々の前に立ちはだかる敵は濃霧だけではありませんでした。山を切り開いて高台に作られたゴルフ場が広いはずはありません。ティーショットを打とうとすると、右には急峻な山肌が迫り出し、左には深い崖が大きな口を開いて待っているというホールが続きます。これら自然のプレッシャーに押され、6回ものOB(打ったボールがまっすぐに飛ばずにコース外に出てしまい、2打の罰を受けること)をやってしまいました。

左右の山肌や崖のプレッシャーが無く、ひたすら広くて平らなゴルフ場だったらスコアも改善されるのになあ、といつも思います。でもそんなとき、私のゴルフの師匠はいつも言います。「ひたすら広くて平らなゴルフ場でゴルフをしたって全く面白くないよ。崖やバンカーや林などの障害物をいかに回避してカップインさせるかを考えるのが面白く、そしてそれがうまくいったときの喜びが大きいんじゃないか。」まさにその通り。さすが師匠。返す言葉もありません。

ふと考えると、商標弁理士の仕事も同じですね。シロクロの判断がなかなかスパッとできない法律問題について、お客様に満足してもらえる判断をしなければならないというプレッシャーと日々戦っています。これに、差し迫る期限とボスからのプレッシャーも加わり、そのプレッシャーは相当なものです。しかし、このプレッシャーに打ち勝って良い仕事をし、お客様から「ありがとう。助かりました。」と言われた時の喜びは、まさに弁理士冥利に尽きるといってもよいでしょう。

ゴルフも仕事も、プレッシャーに負けず、ますます困難に立ち向かっていきたいと思います。そして、仕事もゴルフもますます楽しんでいきたいと思います。

最後に、いつものように、小田原グルメの写真です。グルメ写真を載せておけば、「創英商標部門のぶらぶら日記」が部門長のグルメブログになることを危惧する他のメンバーが別の記事を書いてくれるでしょう。




(商標部門長T.K.
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2018年3月5日月曜日

♪カンボジアへの旅♪

ちょっとブログの更新が滞ってしまいました。ごめんなさい。

先々週ですが、カンボジアのプノンペンに行ってきました。日本弁理士会とカンボジア知財協会(Intellectual Property Association of Cambodia, 以下、IPAC)との交流会に参加するためです。

プノンペンを訪問するのは3回目ですが、訪問するたびに現地の人々のエネルギーに圧倒されます。「俺も頑張らなくちゃ!」という気になりますね。

交流会では、IPACのメンバー向けにセミナーを開催しました。テーマは、「日本における知的財産権の行使」です。その中で、私は、日本における知的財産権侵害訴訟の概要について説明しました。カンボジアでは、最近、トレードマーク・エージェント制度ができましたが、パテント・エージェント制度は未だありません。すなわち、知的財産保護制度や弁理士制度などは、未だ、発展途上です。ですので、知的財産権の行使についてのセミナーを開催しても、聴講者は本当に集まるのかどうか不安でした。しかしながら、予想に反して、100人もの人がセミナーに参加してくれました。セミナー会場は、「知的財産保護制度について日本から学びたい」という熱気に満ち溢れていました。「学びたい」と本当に思っている人たちの前で講演をするのは本当に楽しかったです。

 
セミナーには、カンボジア工業手工芸省の上級大臣(日本でいえば、経済産業大臣のような人)も参加し、セミナーの箔をつけてくれました。国を挙げて、知的財産保護に力を入れていこうという姿勢が見てとれました。また、セミナー後には、記念品をいただきました。カンボジアの伝統工芸品で、何かの葉っぱを敷き詰めて作ったキャンバスに、焼きごてで描いた絵画だそうです。すばらしいですね。

1つ、面白いやりとりがあったので、紹介しておきます。日本弁理士会のセミナーの後、以下のような質問がありました。「カンボジアのような知的財産権の発展途上国では、知的財産権侵害の取り締まりを緩くした方が良いのではないか。取り締まりが厳しすぎると、国内の産業が育たないのではないか?」という質問です。これに対して、我々が「知的財産権が適切に保護されないと、誰も安心して投資をすることができず、結果として国内の産業は育たない。したがって、知的財産権侵害の取り締まりを緩くするという考え方はとらないほうが良い」と回答したところ、工業手工芸省の人たちが大いに賛同してくれました。今後も、カンボジアのため、そしてカンボジアに進出する日本企業のために、カンボジアにおける知財保護制度の確立に関わっていきたいと強く感じました。

一仕事した後は、いつものように、ローカルフードを楽しんできました。プノンペン、また行きたい街です。



(商標部門長 T.K.

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